女性の方が感染しやすい性器ヘルペスについて
性器ヘルペスとは、単純ヘルペスウイルスという菌に感染することで起こる性感染症です。
「単純」とついた名前の病原体による性感染症なので、あまり怖いというイメージがないかもしれませんが、実はこの病原体は非常に感染力が強く、再発を繰り返すとても難しい病気です。
こちらのページでは、性器ヘルペスについてご説明します。
単純ヘルペスウイルスによって感染する
性器ヘルペスは、感染して発症すると性器や肛門などの下半身の様々な場所に痛みやかゆみを伴った赤みのある水膨れを作ります。
主な感染経路はセックスによるものです。
性器の粘膜同士が接触するだけで感染します。
ペニスを膣へ挿入する行為はもちろん、アナルセックスやオーラスセックスでも感染します。
それだけでなく、ディープキスはもちろん、病原体が付着したお皿やお箸などを使用したり、タオルを使っただけでも感染してしまうほどの感染力があります。
つまり、性的な関係を持つパートナー以外にも家族にも感染させてしまう可能性があるということです。
また、体内に入り込んだ菌を死滅させることができないため、再発しにくくすることはできても、生涯にわたって再発を繰り返すこととなります。
それほどに強くやっかいな菌なのです。
性器ヘルペスは女性の方が感染しやすい!?
性器ヘルペスは、男性も女性も感染する性感染症です。
しかし、女性の方が、感染リスクが高いと言われています。
性器ヘルペスに感染した男女の割合は男性40%、女性60%と大きな偏りがあることが分かります。
女性の感染リスクが高いのは様々な理由が考えられています。
性行為時、男性はコンドームを使用しているため、女性よりも負担は軽くなりますが、女性の膣内は直接的な強い摩擦によって粘膜にわずかな傷ができやすいのです。
性器ヘルペスの菌は、粘膜に傷があるほど感染率が上がります。
性行為によってできた傷から菌が進入してしまうのです。
また、生理中の女性は子宮の内膜が剥がれ落ちることから、生理前後は非常にデリケートで傷つきやすくなっています。
もちろん生理中に限らず感染しますが、生理前後は感染のリスクが非常に高まると思われます。
性器ヘルペスに限らずいつどんな時でも感染してしまうのが性感染症です。
きちんとした感染対策をしたうえでセックスをすることが自分を守ることであり、パートナーを守ることになります。
完治が難儀な性器ヘルペスの理由とは?
性器ヘルペスは、生涯にわたって再発を繰り返す病気です。
それはなぜかと言うと、体内に入り込んだ病原体を完全に死滅させる薬がないからです。
一般的な性感染症の治療には抗生物質が用いられますが、性器ヘルペスに抗生物質は効きません。
抗ウイルス作用がある薬を飲むことで症状を抑え込み、症状を出現させないようにすることしかできないのです。
出現した症状を抑え込むと、菌は神経の奥に隠れて体の中に潜んでいます。
この菌は免疫力によって抑え込まれますが、疲れやストレス、女性は生理中などの免疫力が落ちた時に菌を増殖させて再発してしまいます。
一度感染すると約8割の人が一年以内に再発すると言われています。
再発の頻度は一年に1~2回という人が多いようですが、人によっては毎月再発してしまうという人もいるようです。
再発を抑えるには
- ストレスを溜めない
- 睡眠をよくとる
- 規則正しい生活を心掛ける
など、免疫力を上げるためにいくつも気をつける必要があります。
さらにはパートナーや家族に感染させないためにも様々な場面で気を付ける必要があります。
いつ再発するか分からない…
再発してしまったらどうしよう…
再発しないように生活しよう…
など、再発を恐れることがストレスになり、心のバランスを崩してしまう人もいるほどです。